奨学金を一括返済する方法とメリット、デメリットについて

奨学金は期日を待たずに一括で返還することが可能です。日本学生支援機構では、以下の方法で奨学金の一括返還を受け付けています。

  • ・スカラネット・パーソナル
  • ・郵送・FAX
  • ・電話

各手続き方法の詳細を順番に見ていきましょう。

・スカラネット・パーソナル

スカラネット・パーソナル(以下スカラネットPSと記載)とは、日本学生支援機構がインターネットで提供する情報システムの名称です。このシステム上で、奨学金に関するさまざまな手続きを行えます。

一括返還もスカラネットPSで行える手続きの一つです。スカラネットPSのトップページにある「各種届願・繰上」タブをクリックすると、一括返還の申し込みへと進めます。

手続きを進めるには、ワンタイムパスワードの発行が必要です。「ワンタイムパスワードの取得画面へ」を選択して、画面の案内に従ってパスワードを取得してください。

続いて「各種届・願出・繰上返還申込処理選択画面へ」を選択。表示されるログイン画面に、取得したワンタイムパスワードを入力します。続いて表示される画面で「繰上返還申込」をクリック。「繰上返還申込 誓約」画面で、奨学生番号の確認と氏名の入力を行います。

次の種別選択画面では、「全額繰上」を選択してください。続く「繰上返還申込」画面では、複数の奨学金を利用している場合にどの奨学金を繰上返還するかを選択できます。

一括返還する奨学金を選択したら、続く「繰上返還申込 内容確認」画面で申込み内容をチェックしてください。最後に「送信」ボタンを押せば、申込みは完了します。なお、一括返還を希望する月が決まっている場合は、その月の中旬(14日ごろ)までに申込みを行ってください。

・郵送・FAXでの申し込み

郵送またはFAXでの一括返還申込みは、「繰上返還申込書」を使って行います。「繰上返還申込書」は、日本学生支援機構のホームページからPDF形式でダウンロードして入手してください。

入手した書類をプリントアウトしたら、「1.奨学生情報欄」に奨学生の住所氏名電話番号などを記入します。続いて「2.繰上返還希望月」と「3.繰上返還希望内容」欄を記入してください。後者の欄には「全額」「一部」と記載された箇所があるので、全額の方に◯を記入します。

「4.繰上返還通知送付先」については、繰上返還通知の送付先を口座名義人以外に指定する場合のみ記入してください。

なお、郵送やFAXでの一括返還申込みは、繰上げを希望する月の1ヶ月前に締め切られます。希望月が決まっている場合は、その月の4ヶ月前から1ヶ月前の間に申込んでください。

・電話での申し込み

電話での一括返還申込は、奨学金返還相談センターで受け付けています。一括返還を行いたい月の前月に、センターに電話をかけて申込んでください。

  • 一括返済のメリットについて

奨学金を一括返還することで、以下のようなメリットを得られます。

・経済的、精神的なゆとりができる

・第二種奨学金の場合は利息の支払いが減る

・保証料の一部が戻ってくる場合がある

・第一種奨学金の場合は報奨金をもらえる可能性がある

それぞれのメリットについて、順番に見ていきましょう。まず、奨学金の支払い義務がなくなると、経済的にゆとりができます。奨学金の月賦額はさほど大きくなくても、じわじわと家計に影響を与えるもの。一括返還さえ行ってしまえば、その月賦がなくなって精神的なゆとりも生まれるはずです。

次のメリットは、奨学金が有利子の第二種である場合に得られるものです。奨学金を一括返還することで、予定されていた利息の支払いがなくなります。奨学金の利息は、支払い続けることで数万円単位になることも珍しくありません。その利息を一括返還で少しでも削ることができれば、ほかのことにお金を回しやすくなります。

3番目にあげたメリットは、機関保証制度を利用している方のみが得られるものになります。連帯保証人の代わりに機関保証に加入すると、場合によっては保証料がかなり高額になるものです。その一部が戻ってくることは、一括返還のメリットといえます。なお、4番目のメリットである報奨金については、後の節で詳しくご紹介します。

  • 一括返済をしない方がいい人とは?

前節でご紹介したように、奨学金の一括返還にはメリットがたくさんあります。ただし、すべての奨学生が一括返還を利用するべきかというと、そうとも限りません。奨学金利用者の中には、一括返還しないほうがよい人もいます。

どんな人かというと、「大学院で奨学金を貸与され、かつ業績による返還免除を申請している人」です。大学院で第一種奨学金を得た人に対する、奨学金返還免除制度があることをご存知でしょうか。

該当する大学院生が優秀な業績を残すと、奨学金の一部または全額の返還が免除される場合があります。ただし、大学院から返還免除の推薦を受けても、免除の合否が決定されるのは卒業してから半年ほど経った後です。

もし大学院の卒業後すぐに一括返還を行い、かつその後で返還免除に合格しても一度支払ったお金は戻ってきません。つまり、払う必要のなかった多額のお金を、無駄に支払ったことになってしまうのです。こうした悲しい事態はぜひ避けたいところ。もし大学院で奨学金免除制度の推薦を受けているなら、一括返還は合否結果が出るまで待つようにしてください。

このほかの一括返還を利用するべきでない人としては、お金にあまり余裕のない人があげられます。一括返還を行うことで、月々の支出が減って生活にゆとりができることは確かです。

とはいえ、貯金をゼロにしてまで奨学金の返還を急ぐのは考えもの。少なくとも奨学金の残債プラス数十万円程度のお金を用意してから、一括返還に臨んでください。

  • 一括返済で受け取れる報奨金とは?

ここで、先ほど一括返還で得られるメリットとしてあげた、報奨金についてご説明します。報奨金とは、早期一括返済することで得られるお金です。いわゆるキャッシュバックのようなものだと理解しておいてください。

報奨金の金額は、一括返還した金額の3%もしくは5%となっています。ただし、報奨金を得るには以下にあげる条件を満たさなければなりません。

  • ・平成16年度以前に第一種奨学金の貸与を受けていること
  • ・最終返還日の4年前までに一括変換を行っていること

報奨金の制度は平成16年度を最後に廃止されています。つまり、平成17年4月以降に奨学金を利用した方は、いかに早く一括返還を行っても報奨金を得ることはできません。また、報奨金の対称となるのは第一種奨学金のみです。第二種奨学金は対象外なのでご注意ください。

次に、2番目にあげた条件について見てみましょう。報奨金にはタイムリミットが設定してあります。平成16年度までに第一種報奨金を利用した方も、最終返還日の4年前までに一括返還を行わなければ報奨金を獲得できません。

仮に、平成15年度に第一種奨学金を獲得し、平成19年10月から返還を開始した人がいるとしましょう。最終返還日は、平成33年の10月27日としておきます。この人の場合は、平成29年の10月26日までに一括返還を行わなければ報奨金を得ることができません。

上記のタイムリミットは日本学生支援機構から通知されることはないため、自分で調べておく必要があります。なお、一括変換額に対する報奨金の割合は、返還開始日の翌日から数えて7年以内に一括返還した場合で5%です。上記期間が経過した後の返還に対しては、一括変換額の3%が報奨金として支払われます。

  • 報奨金の受け取り方法

報奨金を受け取るために、特別な手続きは必要ありません。一括変換を行ってから2ヶ月ほど経つと、日本学生支援機構から簡易書留で振替払出証書が家に届きます。あとは最寄りの郵便局で証書を現金に換えるだけで、報奨金の受け取りは完了です。

なお、振替払出証書には受け取り期限が記載されています。期限までに現金に換えなかった場合は、せっかくの報奨金が無効になってしまうのでご注意ください。