カードローンを申し込む前に総量規制について知り、最適なカードローンを選びましょう

カードローンやキャッシングの利用を検討している人なら、「総量規制」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?現在は総量規制があるため、制限なしにお金を借りるということはできません。

カードローンを申し込む前に、総量規制とは何のために設けられた制度なのか、具体的にどんな場合に総量規制に引っかかるのかなど、必要な情報を整理しておきましょう。

総量規制とは?

・貸金業者の過剰貸付を抑制するための規制

総量規制とは、貸金業法という法律で定められている貸付規制になります。貸金業法は、2006年に大幅な改正が行われましたが、このときに過剰貸付を抑制するため総量規制が設けられました。改正貸金業法は2010年6月に施行され、このとき以降、貸金業者の貸付は、総量規制による制限を受けるようになりました。

・総量規制の内容

貸金業法第13条の2では、貸金業者が顧客と「個人過剰貸付契約」を締結することを禁止しています。この場合の個人過剰貸付契約とは、他社と合算して個人の年収の3分の1を超えることになる貸付契約です。つまり、年収300万円の人に対しては、貸金業者は他社と合わせて100万円までしか貸付できないということです。

カードローン契約を申し込んだ場合、総量規制により借入可能な額の範囲内で利用限度額が設定されることになります。たとえば、年収300万円で他社借入額が50万円の人がカードローンの申し込みをした場合には、利用限度額は多くても50万円になります。

・一定の場合には収入証明書類の提出が義務付けられている

貸金業者は、自社の貸付残高が50万円を超える貸付けを行う場合、又は他の貸金業者を含めた総貸付額が100万円を超える貸付けを行う場合には、申込者に収入証明書を提出させなければならないことになっています(貸金業法第13条3項)。カードローン申し込みの際には、申込者の提出した収入証明書類にもとづき、総量規制に違反していないかの確認が行われることになります。

・他社でカードローン借入れがある場合

貸金業者で新規借入れ申し込みをする場合、他社カードローンの利用があれば、総量規制に違反していないかどうかは、原則的に借入残高で判断されます。しかし、カードローン契約をしている場合には、いつでも利用限度額まで借入れができますから、申し込み時に借入残高が少なくても、そのうち借入残高が増えることが考えられます。

こうしたことから、カードローンのように極度額が設定される取引については、1ヶ月の貸付合計額が5万円を超え、かつ貸付残高が10万円を超える場合には、3ヶ月に1度指定信用情報機関から情報を得て残高を調べなければならないことが、総量規制により定められています。複数の会社のカードローンを利用している場合、1社で借入残高が増えれば、他社の利用限度額が減らされる可能性があります。

・総量規制に違反した貸金業者には罰則がある

貸金業者が総量規制に違反した貸付を行った場合には、行政処分の対象となります。業務停止などの行政処分を受けることは貸金業者にとって大きな打撃になりますから、正規の貸金業者であれば、必ず総量規制を守った貸付を行っています。

・総量規制では利用者に罰則はない

総量規制はあくまで貸金業者側に対する規制ですから、利用者側が総量規制に違反する貸付を受けても、罰則を受ける心配はありません。また、既に年収の3分の1を超える借入れがある人については新規の借入れができないというだけで、総量規制があるから年収の3分の1を超えている分を返さなければならないということはありません。

総量規制の対象となるキャッシングについて

・「貸金業者」に総量規制が適用される

総量規制は、貸金業法に規定された規制です。貸金業法の適用を受けるのは「貸金業者」になります。「貸金業者」とは、消費者や事業者を対象に融資事業を行っている会社や組織のうち、貸金業の登録をしている業者ということになります。

お金を貸す業務を行っている会社や組織であれば、全て「貸金業者」に該当するわけではありません。貸金業の登録をしなくても、融資事業ができる会社もあります。たとえば、銀行、信用金庫、信用組合、JAなどの金融機関は、「貸金業者」ではありません。保険会社でも契約者貸付が行われていますが、保険会社も「貸金業者」ではありません。

貸金業法上の「貸金業者」に該当するのは、主に、消費者金融になります。消費者金融は全て、貸金業の登録を行っている「貸金業者」です。ですから、消費者金融のカードローンを申し込む際には、総量規制の影響を受けることになります。

・クレジットカードのキャッシングも総量規制対象になる

クレジットカードでもキャッシングができますが、クレジットカードのキャッシング枠も総量規制の対象になります。キャッシング可能なカードを発行している会社は、貸金業の登録をしています。一般に、クレジットカード会社や信販会社と呼ばれる会社であっても、貸金業法の適用を受ける「貸金業者」である場合が多いのです。

総量規制対象外とは?

総量規制は、「貸金業者」に適用される制度です。ですから、総量規制対象外の貸付という場合には、「貸金業者以外が行う貸付」と、「貸金業者が行う貸付のうちに例外的に総量規制が適用されない貸付」の2つがあります。

1.貸金業者以外が行う貸付

銀行は貸金業法の適用を受ける「貸金業者」ではありません。そのため、銀行が行っているカードローンなどの個人向け貸付は、総量規制の影響を受けないことになります。

銀行カードローンでの借入残高は、消費者金融に申し込んだ際にも、総量規制の貸付残高としては算入されません。また、銀行カードローンに申し込んだ際には、そもそも総量規制を気にする必要がありません。

2.貸金業者が行う貸付のうちに例外的に総量規制が適用されない貸付

貸金業者の行う貸付であっても、例外的に総量規制の対象外とされているものもあります。それが、「除外貸付」と「例外貸付」になります。

○除外貸付

そもそも総量規制の貸付残高に算入されない貸付で、住宅ローンや自動車ローンがこれに該当します。

○例外貸付

総量規制の貸付残高には参入されるけれど、例外的に年収の3分の1を超えていてもOKとされるもので、緊急医療費の貸付や個人事業者に対する貸付などがあります。また、配偶者と合わせた年収の3分の1以下の貸付(配偶者貸付)も、例外貸付として認められています

総量規制対象外のカードローンを選ぶ際に気をつけるべきこと

・総量規制対象外カードローンとは

カードローンサービスを行っている金融機関には、消費者金融と銀行があります。消費者金融系カードローンは総量規制の適用を受けますから、総量規制対象外カードローンと言えば、銀行系カードローンのことになります。

・銀行カードローンの審査でも消費者金融の借入れが影響する

銀行カードローンでは、通常、保証会社の保証を受けることを条件に貸付を行っています。この場合の保証会社とは、同系列の消費者金融であることが多くなっています。

グレーゾーン金利廃止や総量規制を盛り込んだ貸金業法改正により、経営危機に陥る消費者金融が増えました。そのため、消費者金融の多くは、現在は銀行と手を組んでいます。銀行側も、消費者金融と手を組めば、少額融資のノウハウを利用できるメリットがあるからです。

銀行カードローンに申し込んだ際にも、実際には消費者金融が審査を行っており、消費者金融が加盟している信用情報機関にも照会が行われています。総量規制対象外の銀行カードローンでも、消費者金融の借入状況や返済状況は審査に大きく影響することを知っておきましょう。

・収入証明書が必要な借入額は銀行によって違う

消費者金融系のカードローンでは、総量規制により、自社だけで50万円または他社と合わせて100万円の借入れとなる場合には、収入証明書の提出が要求されます。一方、銀行カードローンでは総量規制が適用されませんから、利用者に収入証明書の提出を要求する借入金額は、各銀行が独自に定めています

・銀行カードローンは事業資金には使えない

銀行カードローンは低金利で借入れができるため、個人事業主の人などは、事業資金に利用したいと考えるかもしれません。しかし、銀行カードローンで借りたお金は、基本的に生活資金にしか使うことができません。各銀行では事業者向けのローンを用意しているはずですので、事業資金が必要な場合にはそういった商品の利用を検討しましょう。

・その銀行の普通預金口座開設が必要な場合がある

銀行カードローンを利用する際には、その銀行の普通預金口座を開設しなければならない場合があります。銀行口座の開設が要求される場合、融資金の振込や返済金の引落しも、通常はその銀行の口座を通して行われることになります。近くに支店やATMがない銀行であれば、使いにくいことがありますから注意しておきましょう。

総量規制対象のキャッシングと対象外のキャッシングどっちがいいの?

・サービスが充実しているのは総量規制対象キャッシング

消費者金融は個人向けの貸付がメインの事業になりますから、消費者向けのサービスの充実に力を入れています。申し込み後の即日融資に対応しているところが多いほか、深夜まで営業している自動契約機を多数設置しているところもあり、申し込みがしやすくなっています。コンビニATMなどの提携ATMの数も多いですから、返済の利便性も高くなっています。

・総量規制対象キャッシングの方が審査に通りやすい

総量規制対象の消費者金融系キャッシングは、総量規制で定められている金額を超えることになれば借入れができませんが、その他の点においては審査基準はそれほど厳しくありません。総量規制に引っかかるほどの借入れをしていない人にとっては、消費者金融系キャッシングの方が安心して申し込める場合があります。

・総量規制対象キャッシングなら借り過ぎを防ぐことができる

総量規制というのは、借り過ぎによる生活破綻を防ぐという、消費者保護を目的に作られた規制になります。自己コントロールができない人は、総量規制のある消費者金融で借りる方が、借り過ぎによるリスクを防止できることになります。

・総量規制対象外キャッシングなら金利を抑えられる

特に審査に問題もなく、計画的なキャッシング利用ができる人であれば、総量規制対象外キャッシの方が金利面でのメリットがあるため利用しやすくなります。銀行系カードローンの金利は消費者金融系カードローンよりも低くなっていますから、同じ金額を借りて同じように返済するなら、支払う利息が少なくてすみます。

・専業主婦なら総量規制対象外キャッシング

専業主婦がカードローンを利用したい場合には、総量規制対象外キャッシングを選んだ方が良いでしょう。そもそも、収入ゼロの専業主婦は、総量規制により消費者金融からは原則的に借入れができません。総量規制の例外である配偶者貸付制度を利用すれば消費者金融からも借りられますが、配偶者貸付を採用している消費者金融は、現在のところごく少数となっています。

専業主婦が借りられるとしたら、銀行系のカードローンになります。ただし、専業主婦の場合には利用限度額は30~50万円程度となっています。

まとめ

総量規制が心配な人は、総量規制対象のカードローンは利用しにくいと考えてしまうかもしれません。けれど、総量規制を超える借入れは、そもそも生活破綻のリスクがありますから、避けた方が良いと思います。

総量規制対象の消費者金融系カードローンは、借り過ぎを防ぐことができるだけでなく、利便性が高いというメリットがあります。一方で、総量規制対象外の銀行系カードローンは、金利が低く、専業主婦でも利用できる場合が多いというメリットがあります。

どちらのカードローンが自分に合っているかを考え、借入先を選ぶようにしましょう。