扶養控除申告書の書き方とその仕組み

扶養控除申告書の書き方講座|年末調整って結局なんのためにするの?

毎年、毎年働いていると年末調整に関する書類を配布され記入して提出するかとおもいますが、何のためにしているのでしょうか?提出する本人も大変ですが、事務を取りまとめる総務の方や、各会社から提出された書類、最終的に処理をする役所の方も大変です。それでも何故毎年提出が必要なのでしょうか?

給与明細をしっかりと眺めると様々な税金や保険料が控除(天引き)されているのがわかります。その中の「所得税」は実は概算で控除(天引き)されています。もう少し具体的に説明しますと、所得税は本来、扶養している家族の人数(貴方の給料で養っている家族)や、ご自身で加入されている生命保険や支払っている住宅ローン、地震保険などを考慮して、減税されるのです。

ですが、毎月毎月、月々の給料で計算してしまうと、事務作業が膨大になってしまいますし、扶養家族も赤ちゃんが産まれたり、残念ながら家族が亡くなってしまったり、保険に加入されたり、解約されたりと貴方を取り巻く条件が変わるたびに計算する事になってしまいます。

そこで月々の所得税の計算は概算で行い簡易に算出し、一年間の給与が確定する時期に、まとめて正確に計算し直す事によって、多く税金を徴収してしまっているのであれば還付され、徴収した税金が少ないと残念ながら追加徴収する事になります。

年末調整の書類を正確には「給与所得者の扶養控除等申告書」、「保険料控除申告書」の2種類がありますが。今回は「給与所得者の扶養控除等申告書」の書き方について、少し詳しく説明致します。

間違いやすいポイントも、ご説明致しますので是非参考にして下さい。

新たに始まったマイナンバー制度にも対応して説明させて頂きます。

平成28年からの変更点

ます、平成28年から「給与所得者の扶養控除等申告書」の様式に変更が数カ所ありますので説明させて頂きます。今まで何度も「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出したことがある方も、ここは注意が必要です。

平成28年から追加で記入が必要になった項目

■「給与支払者」の法人(個人)番号

■「本人」「扶養親族」の個人番号

■「非居住者である親族」

■「生計を一にする事実」

■「控除対象外国外扶養親族」

後の具体的に書き方で詳しく説明させて頂きますが、簡単に説明します。

個人番号について

個人番号とは大きく話題になり運用の始まったマイナンバーのことです。

すでに、お手元にマイナンバーは届いていると思いますが、マイナンバーは「給与所得者の扶養控除等申告書」以外にも、今後多くの場面で必要となります。大切に保管して下さい。むやみに意味無く他人に伝えたり、他人の個人番号を勝手に調べるのは罪になるので、注意して下さい。

非居住者である親族について

非居住者とは下記の要件に該当するものをいいます。

  • ・日本国内に住所を有していない人。
  • ・日本国内に住所がなく、かつ、日本国内に引き続き居所を有している期間が1年に満たない人。

また、非居住者である親族について扶養控除を申請する場合は下記の書類が必要です。

  • ・戸籍附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅 券(パスポート)の写し。
  • ・戸籍謄本 。
  • ・出生証明書 。
  • ・婚姻証明書などの外国政府又は外国の地方公共団体発行した書類。
  • ・クレジットカードの利用明細書を含めて金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引により居住者から国外 居住親族に支払をしたことを明らかにする書類。

生計を一にする事実

対象年に送金をした金額の実際の合計額を記入します。その際、金融機関が発行した送金をしめす書類を添付します。外国語で書かれている書類等は日本語に自分で翻訳する必要がありますので注意して下さい。

控除対象外国外扶養親族

扶養していない日本国内に住んでいない親族をさします。今までは国外に住んでいる親族に対しての扶養要件が曖昧で控除が申請がもれる事や、逆に扶養の事実が無いのに申請を行い脱税を行うものがいたため要件を定め、扶養しているものと、扶養していない親族を明確にしました。

扶養控除申告書の具体的な書き方説明

では、具体的な書き方を説明させて頂きます。

まず用紙は図のような段落に別れており、①~⑥の情報を該当する場所に記入します。

①~⑥を記入する際の、ポイントをまとめさせて頂きます。

sono1

【 ① 本人情報について 】
その2

ポイント

●個人番号(マイナンバー)を記入することになりました。

  • あなたとの続柄は「本人」と記入します。
  • 扶養者がいない方は配偶者を無を選択し、終了です。

【 ② 配偶者情報について 】

その3

ポイント

  • ・所得の次年度の見積もり金額は仮にパートでの収入が70万であれば70万を記入するのではなく、年収から「給与所得控除額」を引いた後の金額を記入して下さい。控除される金額は次のリンク先を参考にして下さい。

国税庁ホームページ:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1410.htm

  • ・所得の次年度の見積もり金額が控除したあとに38万を越えている場合は配偶者控除を受けることが出来ないのですが、現段階(2016年3月現在)は「配偶者特別控除」という控除を受けることが出来ます。配偶者控除よりも段階的に控除される金額は減額されますが、該当する場合は必ず申請しましょう。金額は次のリンク先を参考にして下さい。

国税庁ホームページ:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1195.htm

現在、配偶者特別控除に関しては廃止の方向性で論議されていますので、今後の報道等には注意が必要です。

【 ③ 16歳以上の扶養親族情報について 】

その4

ポイント

・つぎの1~6の条件を満たす扶養親族を記入する。

  1. 配偶者以外の親族を記入する。
  2. 六親等内の血族(自分の親族)または三親等内の姻族(配偶者の親族)。
  3. 都道府県知事から教育を委託された里子。
  4. 納税者と生計を1つにしていること。
  5. 年間の合計所得金額が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下、年金収入のみの場合で65歳未満は108万円以下、65歳以上は158万円以下であること)。
  6. 青色申告者・白色申告者の事業専従者としてその年を通じて給与の支払を受けていないこと。
  • ・扶養親族は年齢によって次の区分に別れています。

一般の扶養親族:

12/31現在の年齢が16歳以上の人。控除額は38万円。

特定扶養親族:

一般の扶養親族の中で12/31現在の年齢が19歳以上23歳未満の人。控除額は63万円。

老人扶養親族:

一般の扶養親族の中で12/31現在の年齢が70歳以上の人。控除額は同居の場合58万円(別居の場合は48万円)

  • ・扶養家族のマイナンバーに関しては2015年は不要とされましたが、今後改定の可能性もありますので、ご注意下さい。
  • ・先ほど説明いたしました、非居住者に該当する場合は赤丸の空欄に◯をつけ、必要提出書類を添付して下さい。また、送金した金額を記入して下さい。

・年度途中に新たに扶養になった場合は、一番右の空欄に日付と理由を記入して下さい。

【 ④ 障害者・寡婦・勤労学生について 】

その5

ポイント

  • ・障害者一人につき27万円、特別障害者は40万円、生計を一にし同居の場合は75万円控除されます。
  • ・寡婦控除: 扶養親族がいること、または生計を一にする子がいること。2. 合計所得金額が500万円以下であること(扶養親族などの要件はなし)1.2のどちらかに該当すると控除額は27万円。
  • ・特別の寡婦:合計所得金額が500万円以下で、なおかつ扶養親族である子がいる場合。控除額は35万円。
  • ・寡夫:合計所得金額が500万円以下で、なおかつ生計を一にする子がいること。控除額は27万円。
  • ・納税者本人が次の1~3全ての条件を満たす税制上の勤労学生に該当する場合は控除が受けれます。
  • ・給与所得などの所得がある。
  • ・給与所得が65万以下かつ、それ以外の所得が10万以下である。 給与所得のみの場合は収入が130万以下である。
  • ・学校教育法に規定する学校、国、地方公共団体、学校法人等により設置された専修学校認定職業訓練を行う職業訓練法人の学生であること。

【 ⑤その他扶養控除をうける親族について 】

ポイント

  • ・夫婦共働き等の理由であり、同一世帯の中で別の者が扶養控除申請を行う場合に、記入します。別の者が扶養控除申請する為、記入しても実際に控除はされません。

【 ⑥16歳以下の扶養親族情報について 】

ポイント

  • ・2016年現在、16歳以下の扶養親族について控除が廃止されています。
  • ・記入することで住民税が減額されるケースがあるので必ず記入しましょう。住民税の計算式は、各自治体によって異なります。

扶養控除申請書のQ&A

Q1 入籍していませんが、長年一緒にくらしています。扶養控除は受けられますか?

A 受けられません。入籍していないと扶養控除は受けられません。

Q2 書類を出すの忘れていました、今年は扶養控除を諦めるしかないですか?

A お勤めの企業担当者に確認をとり、企業内処理が終わってしまっていれば、税務署で確定申告を自身で行うことで控除されます。

Q3 添付する書類がもれておりました、どうしたら良いですか?

A お勤めの企業担当者に確認をとり、企業内処理が終わってしまっていれば、税務署で確定申告を自身で行うことで控除されます。

Q4 引越しを予定しています。住所はどうすれば宜しいでしょうか?

A 控除を受ける年度の1月1日の住所を記入して下さい。

Q5 扶養控除について質問したいことが多くあり役所で確認したいのですがどこの窓口にいけば良いですか?

A お住まいの地域の税務署に質問して頂ければ、大丈夫です。

まとめ

扶養控除や配偶者特別控除は年々改正が多く、来年度以降も不明確なところも多いです。またマイナンバー制度の運用もはじまり、今後も改正が続くかと思います。

さらに、2016年10月からは一定要件を満たすパートなどは社会保険の加入が義務付けられます(健康保険、厚生年金の加入の義務化)。これにより、働き方や収入の金額も大きく変わります。

扶養控除申告書も今まで以上に理解し、申告することが必要になるので、本日の内容が少しでも、皆様の役に立てば、これほど嬉しいことはありません。