住民税の納税方法と「滞納するとこうなる、ああなる」をまとめてみた

住民税は会社勤めの方は特別徴収

会社勤めの方の住民税は給与から自動的に控除されていますが、次のSTEPで決まります。

STEP1

1月末日までに市町村役場へ前年1月~12月まで給与支払報告書が送付される。

STEP2

5月末日までに前年の給与総額をもとに市町村役場で納税が決まり、住民税額決定通知書と納付書が会社に届く。

STEP3

6月~翌年の5月まで新たに決まった住民税額が、毎月の給与から控除される。

このようなSTEPで決まる住民税の徴収の流れを、『特別徴収』といいます。

給与明細には必ず控除している住民税額が明記されているので、一度確認してください。

前年の所得が100万以下の人は住民税がかかりません。新入社員の方で二年目の手取りが減った方は、住民税や所得税の控除が始まったケースも多くあります。

副業などで給与所得以外に所得がある方は、別途申告し総所得に見合う住民税を納付する必要があります。確定申告する際に、給与引きか自分で納付するか決めることができます。

副業の収入が別の会社から給与として支給される場合は、本業の会社に合算された所得に対する住民税決定通知書が発送されますので、副業が会社にバレる可能性があるので注意が必要です。

個人事業主は普通徴収

次に、会社勤めではない個人事業主の方や、無職の方は送付されてくる住民税の納付書で納付するのですが、特別徴収と同じようにSTEPに分けて説明しますと、

STEP1

2月16日~3月15日の間に前年1月~12月の確定申告を行う。

STEP2

申告した金額を基に市町村役場で住民税が決まり、個人宛に決定通知書が送付され、6月~翌年5月までの住民税額が決まる。

STEP3

6月30日までに一年分を一括で納付するか、4期(第1期納付期限:~6月30日、第2期納付期限:~8月31日、第3期納付期限:~10月31日、第4期納付期限:~翌年1月31日)に分けて分割納付する。

納付書で住民税を納付することを『普通徴収』と言います。

住民税滞納するとどうなる?

会社勤めの方であれば、住民税を滞納することは少ないと思いますが、訳あって退職した場合や、個人事業主の方は自分で住民税を納付する必要があります。金銭的事情や、うっかりと納付を忘れていると大きな、大きなデメリットがありますので順番に説明させていただきます。

まず住民税を1カ月以上滞納すると『督促状』が届きます。『督促状』が届いてから10日以内に納付しない場合は、なんと財産を差し押えられてしまう可能性があるのです。

根拠条文(市町村民税に係る滞納処分)

第三百三十一条 市町村民税に係る滞納者が次の各号の一に該当するときは、

市町村の徴税吏員は、当該市町村民税に係る地方団体の徴収金につき、滞納者

の財産を差し押えなければならない。

・引用 地方税法(昭和二十五年七月三十一日法律第二百二十六号)

銀行や消費者金融とは違い国の税金を納付していないだから、少しくらいは大丈夫なんて思っている人はいませんか?ハッキリといって甘いです。国は、あなたのあらゆる情報把握しているわけですから、しっかりと差し押さえにやってきます。マイナンバー制度がはじまっているので、尚更簡単に、あなたの情報を掴むことができます。

住民税を滞納し『督促状』が届いても何も行動を起さず、滞納を放置していると、役所から督促の電話があります。また、家に実際に訪ねて来ることもあります。そしていよいよ、『差し押さえ予告状』が届きます。

差し押さえ予告状が届き予告状に記載されている期日を過ぎますと、あとはいつ差し押さえられても文句は言えません。

財産の差し押さえとは預金の差し押さえは、もちろんのこと自宅、不動産、車、株、生命保険など全てに及びます。また会社勤めの方であれば会社にも連絡がいきます。

自営業方であれば売掛金までも差し押さえられる可能性があり、最悪の場合倒産に陥ることもあるのです。また社会的信用も失い、住宅ローンの審査なども落ちてしまうことあります。

また、住民税を残念ながら滞納すると、延滞税が加算されます。延滞税には2種類あり、延滞してから2カ月以内に納付した場合にかかる率と、2カ月以上延滞した場合にかかる率があります。2カ月以上延滞すると、率が上がり延滞金が増えてしまいます。

預金や株だけでなく保険や車、自営業の方であれば売掛金まで差し押さえられるのは酷いことに感じられるかもしれませんが、正しく税金を納めている方との公平さを大事にするためにも、厳しい態度で納税を迫ってきます。住民税を滞納することは、何一つ良いことがありません。

住民税を滞納してしまった場合の緊急措置

住民税を滞納することは何一つメリットはありませんが、不幸にも滞納してしまった場合、財産を差し押えられないための方法を、お伝えします。

住民税を滞納してしまった場合、忘れてはいけないキーワードがあります。それは、

『絶対に放置しない』

これは絶対です。そして

『支払いの意思があることを、誠意を持って伝える』

この、『絶対に放置しない』ことと、『支払いの意思があることを、誠意を持って伝える』ことは必ず守ってください。抽象的な言葉ですが非常に大事なことです。

具体的には納税できなかった、忘れていた場合は、すぐに役所に報告し、納税の意思があること示すことが大事です。督促状が届くのを待つのではなく、滞納に気が付いたら直ぐに行動におこしましょう。

次に、何故納税できなかったのか、いつまでなら納税できるのかを担当者に説明して下さい。忘れていただけ、失業や倒産、不幸な出来事が重なり納税する金銭的余裕がないなど、正直に報告し相談してください。

状況によっては『納税の緩和措置』が図られることがあります。このあと、詳しく説明いたします。

誠意ある人には納税の緩和措置

住民税を滞納してしまった人が納税の意思を示し、何故滞納してしまったかを証明できれば『分割納付』や『納税の緩和措置』をとってくれます。病気で働くことができなかったなど、診断書など書面で証明できる人は用意すると、良いと思います。

・分割納付

住民税を無理の無い程度で分割納付を許してもらえる制度です。金額は、ご自身の収入や無駄使いを除いた上で、必要な生活費などを考慮して、月々納税する金額を決めます。延長できる期限は原則的には1年~4年です。

金額を決めた後に月々の納税方法や、納税期日などを決めます。役所によっては、誓約書を用意されることもあるので、しっかりと定めた金額や期日を守りましょう。話し合いで金額を決めるので、恥ずかしがらず無理のない金額を伝え、無駄な浪費などを見直し、新しく定めた金額をしっかりと納税できるようにしましょう。

だだし、分割納付をしても住民税が減額されるわけではありません。滞納した金額を分割して納税する制度ですので翌年以降に滞納した住民税が残っていれば、翌年以降の住民税と滞納していた住民税を納税することをせまられます。また、滞納分の住民税には延滞金が、かさんでいきますので注意が必要です。臨時収入があったときなどは、新しく定めた金額以上に納税するなど、早期に滞納を解消することが大切です。

住民税は昨年の所得対して納税額が決まりますので、突然の失業や体調不良など急な経済的環境の変化により住民税を滞納せざるを得ないほどの状態になってしまったのであれば、翌年の住民税は大きく減額されるので、過度な心配はしないで下さい。

納税の緩和措置

住民税の滞納の理由が、本人の怠惰な生活によるものが原因や、納税する能力があるにも関わらず納税しなかった為、滞納になってしまった場合には適応されませんが、事故や病気が原因で体調を大きく崩し働けなくなってしまった、本人の意思とは無関係に倒産などで失業してしまった。

自営業の方であれば不渡りをだしてしまった、事業で大きな損失を出してしまった、不幸にも倒産してしまい納税できない場合は、延滞金の緩和措置をとってくれることがあります。

本来、平成28年の延滞金については納期限から1カ月を過ぎるまでの延滞金の金利は2.8%であり、1カ月をこえると9.1%の金利がかかるのですが、『納税の猶予』が適応されると延滞税が減免されるのです。

また、その他にも現在、住民税滞納の結果、差し押えられてしまった住宅や不動産などの解除になる恩恵もあるのです。非常に、ありがたい制度といえます。

『分割納付』も『納税の猶予』も放置せずに、誠意をもって納税の意思があることを担当者に伝えることが、できた人にしか適応されませんので、くれぐれも注意してください。

大切なことなので、もう一度言います。

『絶対に放置しない』

『支払いの意思があることを、誠意を持って伝える』

滞納しないための、住民税のQ&A

住民税滞納につながりやすい、住民税の間違いやすいポイントをQ&A方式で説明いたします。

Q1 年内に引っ越しを予定しています。住民税の納付書が届いていますが、引越し先で支払ってよいですか?

A1 引越しを予定していても1月1日現在に住んでいた市町村において前年の所得を基に支払います。

Q2 父が昨年6月に死亡しました。今年、父の住民税を納めないと駄目なのでしょうか?

A2 お父様に昨年1月~6月に課税対象になる所得があれば、本年度も住民税納付義務があります。

Q3 会社の給与から住民税を支払っているのに、住民税の納付書が届きました。なぜですか?

A3 お勤めの会社以外に不動産に関する収入、原稿料などを得ていませんか?その場合、別途普通徴収手続きが必要です。

Q4 前年、収入が全くありません。住民税は徴収されますか?

A4 前年の収入が全く無い場合、住民税は本年度は徴収されません。

Q5 昨年、妻がパートにでることになりました。本年度、妻に住民税がかかるのは理解できるのですが、なぜ私の住民税も増額されたのですか?

A5 奥さまの前年の所得が配偶者控除の金額を上回ることで適応されず、旦那様にかかる税金が増えたことが原因の1つです。

まとめ

住民税の滞納について説明させていただきました。さまざまな事情により住民税を滞納せざるを得ない状況になることもあると思いますが、督促状が届くのを待つのではなく、困ったときは市町村の担当窓口に相談することが、何よりも大切です。