生命保険を担保にお金を借りる方法や返済額、返済方法について

加入している生命保険があれば、その生命保険を担保にお金を借りられる場合があります。契約者貸付制度とは、生命保険の契約者が、解約返戻金を担保に加入している保険会社から融資を受けられる制度になります。

契約者貸付が利用できれば、一般的なカードローンに比べて低金利でお金を借りられます。急にお金が必要になったとき、生命保険を担保にお金を借りることができないかどうか、あらかじめ確認しておきましょう。

生命保険を担保にお金って借りられるの?

・お金を借りるときには保証人や担保が必要

金融機関でローンを組むなどしてお金を借りる場合には、保証人のほか、担保を要求されることもあります。担保とは、債務者がお金を返せない場合に、債権者の損失を埋めるためにあらかじめ債務者から提供してもらう物です。

土地・建物といった不動産の所有者なら、不動産を担保に金融機関からお金を借りることができます。不動産を担保にする場合には、その不動産に金融機関の抵当権や根抵当権が設定されます。この場合、もし返済できなかったら、金融機関は不動産を競売にかけて債権や掛債権を回収できます。

このほかに、動産でも車などは財産的価値がありますから、借金の担保にすることができます。この場合、もし借金を返せなかったら、車を債権者にとられてしまうことになります。

・生命保険も借金の担保になる

借金の担保になり得るものには、生命保険もあります。厳密に言うと、生命保険の解約返戻金と呼ばれるものを担保にお金を借りることができます。

解約返戻金とは、生命保険の解約時に保険会社から払い戻されるお金のことです。なお、生命保険の中には、解約返戻金がほとんどないものもありますので、必ず生命保険を担保にお金を借りられるわけではありません。

また、生命保険を担保にお金を借りる場合には、その生命保険会社からお金を借りる形になります。つまり、生命保険を担保にするということは、もしお金を返さなければ、保険会社は保険金や解約金を払ってくれないということなのです。ですから、銀行などの金融機関で生命保険を担保にお金を借りることはできませんので注意しましょう。

・担保にできる生命保険の種類

生命保険の中には貯蓄性の高い商品があります。このような貯蓄型の生命保険の場合、解約すると解約返戻金として支払った保険料の多くが返ってきますから、これを担保にお金を借りることができます。

具体的には、解約返戻金がもらえる生命保険には、終身保険、養老保険、学資保険といったものがあります。

<終身保険>

保障が一生涯続くもので、加入年数の経過とともに解約返戻金の額も増えていきます。

<養老保険>

一定の保険期間内に死亡したときには死亡保険金が、満期まで生存した場合には満期保険金が支払われるもので、ある程度の期間加入していると支払った保険料はほとんど戻ってきます。

<学資保険>

子どもの教育資金を積み立てるタイプの保険です。解約時には支払った保険料はほとんど戻ってきます。

・生命保険を担保にお金を借りられるのが契約者貸付制度

生命保険会社で解約返戻金を担保にお金を借りられる制度は、契約者貸付制度と呼ばれています。契約者貸付による融資金額は解約返戻金の一定割合の範囲内となっており、それぞれの保険会社によって違いますが、通常は解約返戻金の8~9割程度の額を借りることができます。

・契約者貸付なら審査なしで低金利の融資が受けられる

生命保険を担保とした契約者貸付は、消費者金融や銀行でカードローンやキャッシングを申し込んで借りるのとは全く違います。

まず、契約者貸付では、貸付の際の審査がありません。対象となっている生命保険の契約者であれば、無条件でお金を貸してもらえます。

さらに、契約者貸付の金利は、カードローン等に比べて低金利となっています。急にお金が必要になり一時的に借入れをしたい場合には、通常のキャッシングよりもお得になることがほとんどです。

・契約者貸付ならブラックリストに載ることもない

カードローン等で借りたお金を期日までに返済できなければ、延滞扱いになり、やがて信用情報機関のブラックリストに載ってしまいます。ひとたびブラックになれば、その後5年程度は新規の借入が困難になるという大きなデメリットがあります。

しかし、契約者貸付では、そもそも返済期日がなく、延滞になることもありません。もし返済できなくても、本来受け取れる生命保険金や解約金がなくなるだけで、ブラックリストに載るようなことはありません。

ただし、金利が安い分手続きが面倒だったりするのも事実。 急ぎでお金が必要な場合などはプロミスなどの消費者金融を利用する事をおすすめします。

保険は解約扱いになるの?

・生命保険を解約してもお金はもらえる

お金が必要になった場合に、生命保険の解約を考えることもあると思います。生命保険を解約すれば解約返戻金をもらえますが、解約返戻金の額は契約内容や経過年数によって変わりますから、解約するタイミングによっては大きく損することもあります。また、生命保険を解約すれば、将来の保障がなくなり不安が残ることはいうまでもありません。

つまり、お金に困っても、生命保険はむやみに解約しない方がいいということです。

・契約者貸付を利用しても保険は解約にならない

契約者貸付制度では、生命保険契約を維持したまま、お金を借りることができます。解約すれば解約返戻金は自分のものになりますが、契約者貸付では解約はしないので、受け取ったお金は解約返戻金とは違います。あくまで保険会社のお金を貸してもらったという形になりますから、保険契約自体には影響がありません。

・契約者貸付の借入方法

契約者貸付を利用したい場合には、保険会社に連絡し、契約者貸付申込書を提出して手続きします。インターネットで専用ページ利用の登録をしている場合には、インターネットから申し込みすることも可能です。

なお、貸付金は通常、申し込み後3~4日営業日程度で指定した金融機関の口座に振込してもらえます。

・限度額を超えれば保険契約が失効することも

契約者貸付では解約返戻金の8~9割程度の貸付限度額が定められています。借りたお金の返済期限は特にありませんが、借金なので当然利息が発生します。うっかり借り過ぎてしまうと、利息を含めた借入金の合計が限度額を超えてしまうことがあります。

もし貸付元利金の合計が限度額を超えてしまった場合、保険会社に超過分を含めた所定の金額の入金を要求されます。この場合、期日までに入金ができなければ、保険契約が効力を失ってしまうことになりますので、注意が必要です。

借入額はどうやって決まるの?

・解約返戻金の一定割合の範囲内でお金を借りられる

契約者貸付の貸付限度額は、解約返戻金額の一定割合となっています。どれだけの割合になるかは保険会社や保険契約によって違いますが、通常は8~9割程度で設定されています。

契約者は限度額の範囲内で自分で借入額を決めることができます。借入回数の制限等もありませんので、限度額の範囲内であれば、追加でお金を借りることも可能です。

・貸付利率

契約者貸付は保険会社からの借金ですから、利息がかかってきます。契約者貸付の貸付利率は、生命保険の予定利率(保険会社が契約者に約束した運用利率)に1~2%上乗せした金利となっていますから、保険の種類や契約した時期によって変わってきます。

なお、契約者貸付の貸付利率は複利で計算されます。利息で返済されていない分は1年ごとに元本に組み入れられることになりますから、返済しなければ借入元本がどんどん増えていくことになります。

返済方法や返済額は?

・いつでも全部または一部を返済可能

契約者貸付でお金を借りた場合、返済期日というのは特にありません。また、1回あたりの返済額も決まっていません。契約者は保険契約中、いつでも借入金の全部または一部を返済することができます。

・契約者貸付の返済方法

それぞれの保険会社で返済方法が指定されていますが、主なものは次のとおりです。

○銀行振込・コンビニ払込
保険会社に連絡すると振込用紙や払込用紙を送ってもらえるので、それを使って入金します。

○ATMで返済
保険会社によっては、契約者貸付の利用者に専用のカードを発行してくれることがあります。カードが発行されている場合には、そのカードを使ってATMから返済ができます。

○インターネットで返済
インターネットの専用ページから、ペイジーやネットバンキング利用により返済手続ができる場合があります。

○来店して窓口で返済
保険会社支社などの窓口へ来店し、返済を行うこともできます。

・契約終了時に清算することもできる

契約者貸付には返済期限がないため、満期保険金の支払時や解約時に返済額を差し引いて受け取る形で清算することもできます。

生命保険を担保にお金を借りる際の注意点

・契約者貸付は借金であることを忘れない

契約者貸付は、積み立て貯蓄と同様に毎月保険料を払い込んでいる保険会社からお金を受け取りますから、自分のお金を引き出しているように考えてしまいがちです。

しかし、契約者貸付は、自分の生命保険を担保にお金を借りるものですから、借金であることをしっかりと心に留めておかなければなりません。借金ですから、長く借りれば借りるほど、どんどん利息が増えていきます。契約者貸付での借入は一時的なものと考え、できるだけ早く返済するのが賢明です。すぐに返済できない場合には、利息だけでも返済するようにしましょう。

・お金を借りられるのは契約者のみ

契約者貸付でお金を借りることができるのは、契約者本人に限られています。たとえ自分が生命保険の受取人であっても、自分が契約者でなければ借入はできません。

たとえば、契約者は妻だけれど実際に保険料を払っているのは自分というような場合でも、やはり借入することは不可能です。

・借り過ぎると保険が失効することも

契約者貸付の利用を考える人というのは、保険契約を解約すると、万一のときの保障がなくなってしまうことを懸念しているはずです。契約者貸付なら保険契約を維持することができますから、何かあったときには保険金が出るので安心と思うかもしれません。

しかし、保険会社から保険金が支払われるときに契約者貸付の借入残高があれば、その分の金額が契約金から差し引かれてしまいます。また、もし借入残高が限度額を超えてしまえば、保険契約そのものが失効することもあります。

契約者貸付を利用すれば万一のときの保障が必ず維持できるというわけではありませんので、くれぐれも注意しておきましょう。