まさかの時の遺族年金のもらい方や支給額について

一家の家計を支えていた旦那様やご自身が、不幸にも亡くなってしまった場合、残された家族はどのように生活していけば良いのか不安になりますよね?

万が一に備えて、民間の保険に加入している方も多いと思いますが、国からも一定条件を満たせば『年金』が支給されるのはご存知ですか?『年金』ときいて、老後の年金をイメージされた方も多いと思いますが、実は一定条件を満たせば国から一家の家計を支えていた方を亡くされた場合は『遺族年金』が支給され、事故や病気で身体に大きな障害が残ってしまった方には『障害年金』が支給されるのです。

今回は一家の家計を支えていた方が不幸にも亡くなられた時に支給される『遺族年金』が、どのような条件を満たせば支給されるのか、手続きはどうすれば良いのか、どの位の金額が支給されるのかを紹介いたします。

とくに、サラリーマンの方と自営業の方では同じ遺族年金でも条件も金額も大きく違ってくるので順番に説明致します。

 自営業の方そなえは大丈夫?意外と厳しい条件の遺族基礎年金

まず国民年金に加入されている自営業・自由業の方に給付される遺族年金を説明致します。

正しくは遺族基礎年金といい給付されるには、意外と厳しい条件があるので注意して下さい。

・まず亡くなった方が次の条件を満たす必要があります

  • ①老齢基礎年金を受給中に亡くなった
  • ②老齢基礎年金の受給資格を満たしていた
  • ③国民年金に加入中に亡くなった
  • ④日本国内に住所があり国民年金に加入しており、かつ、60歳以上65歳未満で亡くなった

この4つのうち、いずれかを満たすことが必要です。

気をつけないといけないのは、③と④は亡くなられた方が保険料を、次の条件以上に納めている必要があります

  • ・死亡日の前日において死亡日が属する月の前々月までの国民年金の加入期間のうち、滞納期間が1/3を超えていないこと
  • ・65歳以下の者が死亡日の前日において死亡日が属する月の前々月から遡って1年間、保険料滞納が無いこと

どちらも保険料を収めていなくても、保険料減免の申請を行い認められていた場合は、大丈夫です。

・遺族基礎年金は誰が貰えるの?

遺族年金は子供のいる配偶者か、子供に支給されます。ここでポイントになるのが、『子供のいる配偶者』という事です。つまり、どれだけ夫婦中が良くても、お子さんがいない場合は遺族基礎年金が支給されないのです。元々遺族基礎年金は夫を亡くした妻にしか支給されませんでしたが、2014年4月から妻を亡くした夫にも支給されるようになりました。

・遺族基礎年金は、いくら貰えるの?

遺族基礎年金の金額は毎年少しの変動はありますが約年間78万円程です。そこに、子供がいると加算額がつく仕組みです。子供1人につき約年間22万円の加算額(子供三人目からは約年間75,000円)がつきますので、お子様が二人いるケースですと。年間約120万円が給付される事になります。お子さんが遺族基礎年金を受給する場合ですと加算額がつきませんので、約年間78万だけです。ここに兄弟がおられますと、兄弟の人数で割った金額が一人一人に支給される仕組みです。

・遺族基礎年金は、いつまで貰えるの?

遺族基礎年金は先ほど述べましたように配偶者に支給される遺族基礎年金は子供が、衣類事が条件です。ここでいう子供とは未婚の18歳達年度の末日までの間にある子(子供に一定の障害がある場合は、20歳に到達するまで)のことを言います。つまり、お子さんが全員18歳の誕生日を向かえ、そのまま3月31日を越えると遺族基礎年金の要件としては、子供がいない状態と判断され、遺族基礎年金を打ち切られてしまいます。

・ここで具体例

【夫】 50歳 【妻】 42歳 【長男】 17歳 【次男】 15歳 【長女】13歳

のケースで夫がなくなった場合の例ですと

夫死亡の一年目
遺族基礎年金
約年間78万+約22万(長男の加算)+約22万(次男の加算)+約7万5千円(長女の加算)
=約年間129万5千円

夫死亡から二年目
【妻】 44歳 【長男】 19歳 【次男】 17歳 【長女】15歳
約年間78万+約22万(次男の加算)+約22万(長女の加算)
=約年間122万円

☆ポイント

長男が19歳になり加算から外れる。同時に長女の加算が二人目に繰り上がるので約22万に増える。

夫死亡から四年目
【妻】 46歳 【長男】 21歳 【次男】 19歳 【長女】17歳が結婚
子供の要件に該当する者がいない為、遺族基礎年金の打ち切り

☆ポイント

次男が19歳になり加算からぬける。

長女が18歳年度末に至ってないないが、結婚すると子の要件から外れ加算がなくなる

子の要件を満たす者が一人もいなくなるため、遺族基礎年金の終了

また子供がいても、配偶者自身が再婚すると遺族基礎年金が貰える権利を失権します。

妻にとっては、まだまだ子供にお金がかかる時期にも関わらず、年金が打ち切られてしまうのは非常に残念ですが。現状の年金制度は、このようになっています。

ただ、夫を亡くした妻の方に限り60歳から65歳までの間か若しくは、自身の老齢基礎年金を貰うまでは寡婦年金といって、夫が貰うはずであった老齢基礎年金の3/4が支給されます。

因みに、遺族基礎年金、寡婦年金ともに、非課税なので税金はかかりません。

意外と手厚い遺族厚生年金

一方、厚生年金に加入しているサラリーマンの妻と子供の場合は遺族基礎年金に加えて、遺族厚生年金を支給されますが、遺族基礎年金と仕組みが大きく違うので説明させて頂きます。

・まず亡くなった方が次の条件を満たす必要があります

遺族基礎年金と同じように一定の条件を満たす必要があります。

条件には短期要件と長期要件とあり、どちらかを満たす必要があります。

短期要件

  • ・1級若しくは2級の障害厚生年金を受給中に亡くなった
  • ・厚生年金加入中に亡くなった
  • ・厚生年金加入中に初診日がある病気や怪我が原因で5年以内に亡くなった

※②③に関しては遺族基礎年金と同じように保険料を納付している事を求められます

長期要件

  • ・老齢厚生年金を受給している
  • ・老齢厚生年金の受給資格を満たしている

・遺族厚生年金は誰が貰えるの??

遺族厚生年金は遺族基礎年金よりも貰える遺族の範囲がひろいです。

厚生年金に加入していた者が死亡した当時、生計を維持していた下の表に該当する者が支給をうける事が出来ます。

順位 続柄 要件
配偶者or子供 夫は55歳以上(60歳までは支給停止)
婚姻していないもの
子供は18歳達年度の末日までの間にある子
父 母 55歳以上(60歳までは支給停止)
18歳達年度の末日までの間にある孫
祖父母 55歳以上(60歳までは支給停止)

※子供と孫に一定の障害が有る場合は20歳に到達するまで支給されます

・遺族厚生年金は、いくら貰えるの??

遺族厚生年金の金額は『報酬比例の年金額×3/4』で計算されますが、

報酬比例の年金額は厚生年金に加入されていた方の収入によって、支給される金額が大きくちがうので平均的な話にさせて頂きます

参考資料

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12500000-Nenkinkyoku/H26.pdf

この資料を参考に計算すると平均年額約68万円支給されます

ここに遺族基礎年金が支給される条件が揃っていれば、配偶者と子供に限り遺族基礎年金も合わせて支給されます。

さらに、遺族基礎年金は先ほど説明させて頂いたように配偶者が支給を受ける場合だと、子供がいないと支給されませんが、年齢要件などの一定条件を満たすと『中高齢寡婦加算』といって、配偶者が65歳になるまで、遺族基礎年金の金額の3/4に相当する金額が支給されます

さらに、配偶者が65歳に達すると自分の老齢基礎年金と合わせて遺族厚生年金を貰う権利が発生します。

配偶者のケースを図にすると、このような状態になります

遺族年金説明

遺族基礎年金と比べて、かなり手厚いのが、わかりますね。

遺族基礎年金と同じように、遺族厚生年金、中高齢寡婦加算は非課税ですので、税金はかかりません。

・若い女性は注意が必要!遺族厚生年金はいつまで貰えるの?

遺族厚生年金は子供がいなくても支給される点で、遺族基礎年金と違いますが結婚すると遺族厚生年金は打ち切られます。

但し、30歳未満の女性で子供がおられない場合は注意が必要です!!

30歳未満の女性で子供がおられない場合、

遺族厚生年金は5年で支給が打ち切られます!

また、子供がいないので遺族基礎年金も支給されません

 実際、どうやって申請するの?遺族年金

次は具体的に、遺族年金の申請方法を説明いたします。

この場合も厚生年金加入者と国民年金加入者では、申請方法が違うので注意が必要です

STEP1)事前に準備するもの

  • ・年金請求書(年金事務所で貰えます)
  • ・年金手帳または厚生年金保険被保険者証(亡くなった人・請求する人)
  • ・死亡診断書の写し
  • ・年金を受給中の人は年金証書(亡くなった人、請求する人)
  • ・年金給付を受ける方の金融機関通帳など
  • ・印鑑
  • ・戸籍謄本または戸籍抄本
  • ・世帯全員の住民票の写し
  • ・源泉徴収票、所得証明書、課税(非課税)証明書など収入が証明できるもの(請求する人・子。義務教育を終えるまでの子どもは不要、高校生の場合は在学証明書など)

STEP2)必要書類を提出

国民年金加入者が死亡した場合→役所に提出

厚生年金加入者が死亡した場合→年金事務所に提出

障害や老齢年金などの年金受給者が死亡した場合→年金事務所に提出

第3号被保険者が死亡した場合→年金事務所に提出

STEP3)年金が決定する

年金証書と年金決定通知書が送られ

二ヶ月に一度、年金が支給される

以上が、簡単な流れとなっていますが、年金には特例が多数あるため、請求されるまえに一度年金事務所で相談されるのも良いと思います

・こんな時はどうなるの遺族年金

Q 夫の乗っている観光船が沈没しました。遺体も見つからない為、生死も確認出来ません。遺族年金はどうなるのでしょうか?

A 船、飛行機が沈没や墜落の場合は、遺体が見つからなくても沈没、墜落の日から三ヶ月たてば、死亡したと推定し要件を満たせば遺族年金を支給します

Q 長年一緒に暮らしていた連れ合い死亡しましたが、入籍はしてませんでした。遺族年金はどうなりますか?

A 入籍していなくても生活の実態から判断され遺族年金が支給されることがあります。

Q 死亡した夫は外国人ですが遺族年金は支給されますか?

A 保険料納付条件など日本人と同じ要件を満たせば、支給されます

Q 息子と血はつながっていませんが養子縁組をしております。私が死亡した場合、遺族年金は息子に支給されますか?

A 養子縁組をしていれば妻がいなければ息子が18歳に達する年度末まで支給されます。但し、一緒にくらしていても養子縁組をしていない場合は、支給されません

Q 遺族年金を貰いながら働くと、遺族年金は減額されますか?

A 遺族基礎年金、遺族厚生年金ともに減額される事はありません。

Q 現在、夫の遺族年金の支給をうけています。仮に妻であった私が死亡した場合、夫の遺族年金は息子に支給されますか?

A されません。ただし、妻であった貴方自身が死亡した際に保険料納付等の要件を満たしていれば、子供が18歳に達する年度末まで遺族基礎年と遺族厚生年金が支給される可能性がでます。

Q 4年前に亡くなった夫が厚生年金に加入していた事が判りました。いまさらですが、遺族厚生年金を請求できますか?

A 出来ます。遺族年金は5年前までは遡って請求できます。このケースですと、4年分まとめて支給されます。

まとめ 見直そう我が家の保険内容

いかがでしたでしょうか?少しだけ遺族年金のことを理解いただけたでしょうか?

実は遺族年金には、今日ご説明した事だけでなく、生年月日に応じた特例なども多くあります。詳しく知りたい方は、お近くの年金事務所に足を運ぶのも良いと思います。

冒頭にも書きましたが、ご家族に万が一の場合があった時に備えて、民間の保険会社に加入している方も多いと思います。ですが、公的年金制度によってどれだけ生活が護られるかを正しく把握し、万が一の事態があった後に、どれだけの金額が必要になるかを計算してから、民間の保険に加入する事をオススメいたします。